カニ好き少年と水族館の話
2020.12.25
本日のBGM PlayRadioPlay! - Texas
昨日 母方の祖母と一緒に 姪っ子Y氏の写真や動画を見ていたらY氏が水族館で遊ぶ写真が出てきて、祖母が言うには私がY氏と同じくらいの年の頃に水族館に連れていった事があるみたいで、
その時のわたしはイルカショーなどには目もくれず、カニの水槽の前にへばりついて全然動かないから なんだこのガキは と思ったそうですが、もしかしたら わたしの中にも祖父から続くカニ狩猟の遺伝子があるのかもしれません。
祖父は生前 川ガニを取りに他県まで足を運んでいましたが、その伝統はカニ取り助教授に受け継がれ、助教授が最近取ってきた川ガニが ただ今 庚申窯の水路で飼育されています。
こちら↑川ガニの結構大きいやつですけど、改めて見るとわけのわからない神秘な造形をしておりますな。これはもう意志の疎通とか全く望めない感じ、カニ型の宇宙人とかいたらめちゃくちゃ怖いと思います。だって手がハサミなんですもの。
子供の頃のわたしは何を思ってカニの水槽にへばりついていたのか、おそらく全く異なる生き物の形に驚いていたんだと思いますが、今でも水族館は大好きで、品川の水族館にも行った事があるんですけど、あそこのイルカショーの売店で売ってるビールがめちゃくちゃうまいのです。
調べてみたらキリン一番搾りプレミアムという、通常の流通には乗らない奴だそうで、それの樽からの生ビールだから余計にうまかったのでしょうか。あるいは行った時にたまたま樽が新しかったのかしら。
水の中のことって実はほとんど知る事ができないんだなと思いまして、今では水族館があって、水中の写真や映像がたくさんあって、ダイビングも気軽にできるから、それらイメージの集合で水の中の世界を思い描く事ができますけど、
江戸時代の日本だったら沿岸部に住む人たちは別として、泳ぐこともできない人の方が多かったし、観光のための県外旅行も禁止されていたから水の中と言うのはまるきり想像の世界で、その時分の水の中はカメラに照らされてない神秘があったのだと思います。
身近にある未知の領域は 人々に怪異を想像させて、物語を作る原動力になっていたのですが、それは蒙昧であるとして、科学の光で未知の領域を照らして、自然を解明することによって現在の発展に至るわけで、
一方で現在の創作物はこれまでになくファンタジーに溢れ、自分たちで異世界を作り上げていて、結局のところ現実ではない別の世界が、人間にはある程度必要だと言う事でしょうか。それが 人間は物語を食べて生きている という 文化人類学の見地なのかもしれません。
わたしにとって水の中は十分なファンタジーを含んでいるので、水族館はとても好きです。ちなみに写真は何年か前にどっかの水族館で撮ったやつです。
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目
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