あがの焼窯元 庚申窯(こうしんがま)

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冬の作陶日記

2016.02.12

暖冬とはいうものの今年も上野は寒く、

上野は寒いとはいうものの、日本の中ではけっこう暖かい部類に入るそうで、

それでも寒くてしょうがないのは、僕が人より寒さに耐えることが出来ないためであって、

というかもはや寒さに対して自力でどうこうしようという努力をしていないわけで、

暖かい部屋から出たくないわけで、

一番温まる部屋が工房なわけで、、

 

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そんなわけで冬は一日中工房に入り浸っているので、見た人から「とても仕事熱心ね」なんて言われるのですが、半分くらいの時間はくつろいでおりまして、一人がけのソファを持ち込んで、早々に通信速度を亀の歩みにするというお達しが来る有様で、やはり落語を聴いたりしてたのが大きかったのかなあ、なんて思いつつ閉館間際で やる気のないスチームサウナのような湿気と熱気のこもった工房で、冬でもシャツ姿のコウヅルユウタです。

 

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格好に 問題がある 青いシャツ。

なぜいつもシャツばかり着ているのかというと、僕の中の暖かくて陽気で享楽的そうなイタリア人のイメージに憧れているから。ではなくて、シャツ以上に厚みのある服を着ていると、作る対象物との距離が遠い気がしてうまく集中できない、という気取った感覚のせいです。

 

あと 手元が濡れるので捲りたい というのもありまして、それならベストを着ればいいじゃない。と 思うもベストだとやはり ”遠く” 、それ以上に ジレだのチョッキだのて統一しろよ!  ジレって当たり前みたいに使うなよ!  という苦手意識があるため なんとなく遠慮しがちです。

上野焼の他の窯元の人たちも、それぞれで年中同じような格好をしている気がするので これはもう陶芸家あるある。一番楽な服装に落ち着いているだけ?

 

 

ということで冬の間は釉かけや粘土づくりなどの外での作業を極力やらず、工房の中でちんまりした作業ばかりやっております。

 

最近作ったものをいくつかご紹介。

まずは地中海地方の出土品風オイルランプ。

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大英博物館からのパクリです。あ、インスピレーションです。

うまく火が灯るようだったら今後も色々作ってみたいと思っています。

 

 

こちらは小学校の陶版制作に使った粘土版が余っていたので、作ってみたエジプトの壁画装飾風なお皿です。

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奥の家紋は、以前家紋のオーダーを頂いた時の予備の板がまたしても余っていたので高鶴家の家紋を彫ってみたものです。鷹の羽だそうです。鶴じゃねえのかよ。

 

 

こちらはろくろなんかで失敗したリサイクル粘土で作ったもの。

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恐竜かなにか?と言われますがこういうものです。これは何に使うの?とも言われますがこういうものです。こういうものなんです。要するに何も考えてないんですな。息抜きのような作品です。

 

こちらはエスプレッソカップに取っ手を付ける作業。

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毎回取っ手のチョッキじゃなくて ベストなバランスを と悩みますが、今回の形はつまんで持つタイプの取っ手にしてみました。6月の「お茶の時間展」に向けて作りだめです。

お茶の時間展は、あがの焼協同組合の若い方から4人のグループ展で、茶陶である上野焼が提案するティータイムの器 という感じのものです。早い段階から取り組めているので、余裕があってなかなか楽しく制作に取り組んでおります。

展示会の準備は直前でバタバタしてはいけないということを2015年学びました。いやもうほんとに。

 

 

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ピーターラビットの作者ビクトリアス・ポター生誕150周年ということで、伝統工芸品でピーターラビットの作品を依頼したいというお触れが上野焼にもまわってきまして、上野焼としての商品にできそうになかったので参加は断念。しかし別作品で絵付けをするにあたって 練習として描いてみました。

原作は読んだことがないのですが、ピーターラビットとわたしの冒頭くらいは歌えます。線目にしたところネコマジンぽくなった気が。

秋頃にはどこかの伝統工芸品でピーターラビットの作品がお披露目されるのではないでしょうか。

 

3月5日、6日に旧すのこ小学校体育館である伝統工芸なイベント「和のミュージアム」で絵付け体験をする予定なのでよければお越しを〜

 

高鶴裕太

 

 

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どれも無事焼きあがって再びお披露目できたら何よりです。

 

 

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