丸い一輪挿しとボウルでくるくるの話
2020.11.20
本日のBGM CASIOPEA - Reflections Of You
最近この手の花瓶をよく作ってまして、ていうのも 粘土で何かを作っていたら絶対に出てくるこの「あまり粘土」たち↓を利用して作っているからでして、
これ↑はロクロでお皿作ってたときに、失敗して潰したやつとか 大きさを調整するためにカットした部分の粘土たちで、水を吸って柔らかくなっているので こんな感じでアーチ状にして水分を飛ばし、いい具合のかたさになったら新しい粘土に混ぜてまた使うのですが、
最近はこうやって余った粘土で そのまま小物を作ってまして、その中の一つが冒頭の丸い花瓶で、これは気軽に作れるのでなかなか良いなあと思ってまして、
まず あまり粘土 を適当な量とって、手の中で揉んで空気を抜いて、グニグニと袋状にします。このときなるべく厚みは均一になるようにしまして、
袋を閉じてボールにします。口はしっかり接着された方が良いのでおにぎりを握るみたいに両手で圧力をかけて粘土を締めてあげます。
そしてここからは適度な大きさかつ内側が滑らかなカーブを描いているボウルを使います。このボウル↑は前にオーダーされたボウルの試作の一つで、高台無しのボウルなんですけど 最近この形もありだなと思ってまして、そのうちまた作りたいですね。サラダボウル的な。
内側の釉薬は市販のやつを試しで そのまま使ったんですけど大変良い感じです。市販のものをそのまま使うというのは なんとなく憚られるという陶芸家あるあるがございまして、もし使う際もベースの釉薬は自分で作って 補助剤的に入れるみたいにしか使わないんですけど、
これはそんなことしなくても このままで十分いい釉薬ですね。実際はもうちょっと緑がかってますけども、なんかカレーのルウは企業と専門家が研究してベストなものに仕上げてるんだから余計なアレンジをするな 的なやつでしょうか。
このボウルに先ほどの粘土玉を入れまして
あとはほどよく くるくる回して行きます
このときに早く回せば角ばった感じになり、ゆっくり回せば まん丸にに近くなります。あと粘土が硬いと角ばりやすく、柔らかいと丸くなります。好みの形になったら止めまして、
水がかなり出るので新聞紙で吸水しながら このままで1日乾かして、少し硬くなったら穴を開けて完成ですね。
応用編で土を2種類混ぜるとこんな感じです↓
土を練り合わせる時は片方ずつ しっかり揉んでから混ぜると良いです。2つを混ぜてからよく揉むと色もしっかり混ざっちゃって模様がなくなってしまいます。
出来上がってこんな感じなんですけど差が分かりにくいですな。
焼くと粘土の色は差がよく出るのでこんな感じになります↓
これ↑は2種類で混ぜてますけど、3種類混ぜると模様はかなり複雑になります↓混ぜ具合にもよりますけど。
この粘土たちは それぞれが粘土本来の色を出していますけど、白い粘土に着色して赤とか青とか黄色とかで混ぜればかなりサイケデリックな模様も作れると思います。
また別の応用で、中心をくり抜いた状態で丸を作れるので置物なども作りやすくなるみたいです。
こちらは母の作ったフクロウですけど、内圧を保つために細工する間は穴を開けず、完成してから空気抜き用の穴を開けると焼くときに割れにくくなるので、形を作ってから中の粘土をくり抜くのに比べ かなり作りやすくなります。丸いものに限られますけど。
ボウルでくるくるは応用が効きそうなので 今後もいろいろと試して行きたいですね。
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目
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