あがの焼窯元 庚申窯(こうしんがま)

体験レポート

焼物に関する雑学を紹介します。

レッツゴー原土掘り

2014.03.02

事の発端は普段から親しくさせていただいている同じ上野焼窯元である堀田窯(ほったがま)当主世良公男さんのもとへかかって来た電話であった。

 

なんでも土地を補正する際真っ白な土の層が出て来て、現場の人の中に陶芸教室に通っている人がいたのでこれは使える粘土なのでは!?ということで堀田窯の世良さん、柴の門窯(しばのとがま)の柴田さんとともにわたくし高鶴裕太も同行させてもらう事に。

 

 

いきなり現場到着!この近辺の土地は昔の文献の中にも原土を採掘したという記録があるらしいので良質な粘土が発掘できそうな予感がします。
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最初ゴムでも流して固めてるのかと思ったらこれがなんと粘土の層!非常に弾力がありかなりの力で削らないと手に取る事ができません。

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更に別の場所にはヤケという釉薬の原料となる酸化鉄の層も!これを使用する事で赤茶のような色を出す事ができます。

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ではパワーショベルの掃除をして粘土を掘ってもらう準備をします。

奥が柴の門窯 柴田さん 真ん中がパワーショベルを運転してくれる方 手前が堀田窯 世良さんIMGP1486

 

 

作業がはじまるとすぐ荷台が粘土でいっぱいになりました。昔の原土掘りの労力と比べるとものすごい効率の差です。こうした所でも技術の進歩により陶芸の効率化が進んでいるおかげで 作陶に時間をかけてより良い作品をこだわって作る事ができます。

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世良さん曰く「陶芸の原点は土であり今でも工事で断層がのぞいているとその中に使えそうな土がないかをチェックしている。土を探す所から始めると陶器を作る際にも思い入れが変わってくるよ。」

マサも入っているしいい粘土を手に入れる事ができてよかった と談笑の一コマ

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さて庚申窯にも原土を運んでもらい高鶴智山も登場

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粘土の善し悪しは丸めて押しつぶしたときにぼろぼろと割れずにのびる粘りのあるものがいい土との事。

この粘土は現場でも試しましたがこのままでも作れそうなほど粘りのある良質な土でした。

「俺らの若い頃にこれだけの粘土があったらな〜」と昔粘土を手に入れるのに苦労したらしい高鶴智山

このあとみんなで庚申窯にて夜遅くまで飲んでいました。

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