あがの焼窯元 庚申窯(こうしんがま)

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陶芸体験のや周辺のニュースをお伝えします。

7/16~7/22までの日記

2020.07.25

コウヅルユウタです。

この日記は庚申窯のオンラインショップ

「くろつる屋」のブログを

1週間分まとめたものです。

 

 

7/16 プチプチの芯と廃材の有効利用の話

7/17 保険証と2つ折り財布の話

7/18 届いたTシャツとオマケのマスクの話

7/19 湿度とかすみの話

7/20 ダンボールハウスと産まれた猫の話

7/21 浅瀬の水遊びと稚魚の話

7/22 水没気分と一昨日の話

 

この週は猫が生まれた週でしたね。白猫2匹と白黒猫1匹。先ほども荷物の隙間に落ち込んでいたので拾い上げました。もう落ちないように段ボールに入れておきましたが。

そういえば猫の飼い主を募集しておりましたが3匹とも貰い手が見つかりまして、猫たちがよほどブサイクに育たなければちゃんと貰ってくれると思いますが、猫好きたちの懐というのは大変に深く、そして義理堅いものだと思いますので、顔立ちがどうとか意に介さず、きっとどんな猫でも貰ってくれると信じております。

 

なんて言いつつ猫は結構可愛く育ってますね。ふわふわしています。親猫の毛質もふわふわしてるからそれ系の猫なんでしょうな。

 

 

くろつる屋の方もよければ覗いてやってください。

こっち↓の方が確実に読みやすいですよ。

 

 

 

 

プチプチの芯と廃材の有効利用の話

 

 

7月16日 くもりときどき晴れ

本日のBGM Emil & Friends

 

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お店の裏口のくつぬぎのところにダンボールの筒が落ちてまして、これは焼き物が割れないように包む緩衝材、通称プチプチと言われるあれが巻きついていた芯でございまして、このサイズだから60センチ×10メートルくらいのロールの芯でしょうね。

 

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ちなみにイギリスに行った時に このプチプチのことを英語ではバブルと言っていまして、私はちょっと外国に行っただけで現地の文化に感化されて、それをさも前から自然にそうしてたみたいな雰囲気で他人に見せびらかすことによって、自分の情報優位を誇示して、

 

「わたし日本の常識とは合わないんだよねー」などと言って自分に個性がないもんだから 他者との差別化のために 外付けする個性として選ぶのが外国旅行の体験という大変にソフィスティケートされた人種として、それ以来 プチプチのことをバブルと言うものの、伝わらないからプチプチと言い直すという時期がしばらくありました。

 

 

やはりいくつになっても少年の心を忘れてはいけないと思うんですよね。少年の心に需要があるのって 付き合いたての頭が狂ってる時期のカップルだけでしょうが、童心に帰るというのも自らの現状を省みるのに有効な手段なのではないでしょうか。

 

 

などとそれっぽいことを言ってみて、私はこれに手を突っ込んでみたいだけでして、そして腕の先に銃が取り付けられた設定でいこうと とりあえず突っ込んでみたものの60センチ長えですね。私のイメージではロックマンのつもりなのにこれでは鯨波兵庫のバランスではないか。

 

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てことで ちょうど半分のところに点線があるから、チューチューアイスを割る要領で折ってみたら 非常に心地よい感触で「パキッ」と割れまして、わたしは小さい頃からこのバブル、ではなくて プチプチに囲まれていましたから、プチプチを潰して遊ぶ人の気持ちがわからなくて、

 

むしろプチプチは空気が抜けない限り再利用できるから うちにとっては立派な資源であって、暇つぶしのために潰すなんてとんでもないことだから、そんなに何も考えずに指先を動かしたいんならグリーンピースの豆むきでもやってろよ!と思っておりまして、

 

プチプチをつぶすという行為に魅力、破裂感触の快感、反復行動の中毒性など微塵も感じていませんでしたが、この点線の入ったダンボール芯を割る感触はビリビリビリとかではなく「パキッ」と大変心地よい感触で割れて、なるほどこれに似た快感がプチプチ潰しにはあったのだなあと思いました。プチプチロールはすべてのパーツが人を気持ちよくさせてくれるんですね。

 

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短くなった筒を腕にはめてみて思うのは、棒状になった腕にすごく不安感があるといいますか、四肢の末端が膨らんでないと どうもしっくりこないですね。

 

 

手足の先端があることで腕全体も認識しているのであって、だからそこがつるんとしてたら ちょっとなんか変! って感じるみたいです。そういえばロックマンの銃の部分も膨らんでますもんね。

 

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このロックマンがアメリカで販売された際に、名前がローカライズされてメガマンという名前に変わりましたが、このメガマンのパッケージイラストでは青と黄色のタイツを着たおじさんが普通に銃を持っちゃってます。

 

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このパッケージからは、当時 国を跨ぐとこういう事態も起こるのだなあと、インターネットが発達していなかった時代に想いを馳せることができて、情報伝達のいたずらが作り出す芸術というものに心を打たれます。

 

この絵を見ると「かわいい」という概念は創作において とっても大事な要素だなと思い知らされます。かわいいが世界に広まって本当によかったですね。

 

 

保険証と2つ折り財布の話

 

 

 

7月17日 くもりときどき晴れ

本日のBGM Joan Armatrading

 

新しい保険証が届きまして、最近ではカードになって1人1枚ずつ持てるようになったから便利だわ ということを 家のものたちが喋っておりましたが、その保険証はカードというか、コピー用紙以上 名刺未満な硬さのペラペラな紙でして、

 

ペラペラな保険証を入れて保護するためのケースも同封されておりまして、こちらの「ジェネリック医薬品でお願いします」と書かれた ちっちゃいクリアファイルみたいなやつなんですけど、

 

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このクリアファイルの横幅が微妙にデカくてですね、友人から「ゴミみてえだな」と言われる私の財布にはギリギリ収まらないんですよね。

 

処方薬を勝手にジェネリック医薬品に変更する気配りはあるのに、どうしてクレジットカードとか名刺とかと同じくらいのサイズにしないんだろうと不思議に思いまして、

 

国民みんなが長財布を持ってるわけじゃねえぞと、中には貨幣に対して信仰が乏しい人間もいて、そのような人種は千円札とかもギリギリでしか隠れないような 紙製の2つ折りの財布を持ち歩いているかもしれない、という状況をなぜ想定してくれなかったのかしら。

 

 

たぶん クリアファイルの横幅がちょっと大きいというのは、このクリアファイルに保険証だけじゃなく他のカードも入れられるように、ということでポケット部分をカードサイズで作って、

 

一番安上がりな仕上げとしてこの接着方式を選んだから、接着部分だけちょっと広くなったけど、ま、いいや、みんな長財布だろうし、ということでしょうか!?

 

つまり大は小を兼ねる、大きいことはいいことだ 森永エールチョコレート♪ということで、今や権勢は長財布族にあって、お前らのような2つ折り財布を使っている人間は現代社会においてマイノリティーであり、民主主義は最大多数の最大幸福を追求するものだから、2つ折り財布族の輩などにいちいち取り合ってられんのだ。悔しかったら長財布に改宗しやがれい!ってことでしょうか。

 

 

なんて2つ折り財布族に優しくない世の中だ、と思いましたが去年の保険証ケースは この財布でもギリギリ入ってたので、中身を入れ替えてケースは続投しました。ジェネリックて書いてるやつの方が丈夫そうでいいんですけどねー。

 

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しかしわたしの財布はゴミみたいではあるけれど、この錆が浮いてる机とよく合いますな。昨日今日作られた財布では醸し出せない渋みがありますぜ。

 

 

この財布は大学生くらいの時に、海外へ行くなら無くしても全然気にしない財布を持って行こうと東急ハンズで買った紙製の財布でして、そしたらこの簡素さが大変心地良くてそのまま使い続けているんですけど、

 

よく考えたらこれ小銭を保持する能力は全くありませんが、そのことに今気がつくほど、私は小銭を持ち歩かないタイプの人種になっていたみたいです。

 

 

小銭を持ち歩かなくなったのは この財布のせいでしたが、やがて小銭を持ち歩かないという便利さに気がついて、それが習慣となっていたようです。

 

ちなみに小銭を持ち歩かないことが周囲の人に知れ渡ったら、同行する人にしょっちゅう小銭をせびることができるという利点もあります。これはやめられないぜ。

 

 

中には財布を持たずにスマートフォンだけで全てを解決しようという 豪のものもおりますが、私はこのスマートフォンもなくして、手ぶらで生きていけたらいいなあと思うんですけど、どうなんですかね。防犯カメラとかの顔認証で決済してくれたら何も持たなくていいから大変に楽なんですけど。しかし そうなったとしても、いい財布を持つという習慣は しばらく続くんでしょうね。

 

 

 

届いたTシャツとオマケのマスクの話

 

 

7月18日 くもりときどき晴れ

本日のBGM Django Reinhardt

 

この間発注したTシャツたちが昨日今日でまとめて届きまして、Tシャツ工場め仕事がはえーなおい と感心するのですが、そのTシャツたちの写真を撮って、さっきまで くろつる屋の商品ページを更新していたんですけど、これがなかなか大変でして、何が大変なんだと申しますと 写真のTシャツの色の調整をけっこうしなくてはならないということなのです。

 

 

いつも写真は自然光で撮っていて、焼き物なんかは割とそのままの色で撮れるんですけど、服の場合は面積が大きいせいか、それとも背景が木の床なせいか、同じ服でも撮る角度や近さで全然色が変わって、それを修正するのになかなか骨が折れました。

 

 

やはり木の床ではなくて白バックとかじゃないと ちゃんとした色が出ないんでしょうかね。でも私がいつも写真を撮っている白バックは、毎年 東武池袋店から貰う伝統工芸展のポスターなのでTシャツだとはみ出ちゃうんですよね。ライフハックが裏目に出ておりますな。

 

 

特に色がちゃんと出てくれないのがこのインディゴでして、この環境で写真を撮ると実物よりすごく青くなるので彩度を抑えて実物に寄せていますが、なんかちょっと違うんですよね。実物の色味と合わせるために 彩度抑えたりハイライト下げたりすると、どうしてものぺっとした感じになってしまいます。

 

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たぶん人が着てるのを撮れば実物に近い色になるんでしょうね。つまり私が着て撮ればいいわけですけど、私は 自分が作ったものと、自分自身のイメージとを なるべく離して見て欲しいタイプの人間なので、自分で着て商品写真にするのは避けたいんですよね。特に服だと着る人が主体になると思いますので、そこに私のイメージはいらないんじゃないかなあと。普通に着るのはいいんですけど。

 

 

そんなことより左胸ロゴのやつはいい感じですね。ミックスグレーのTシャツが思った通りいい感じに仕上がっています。もう今日は何でもいい感じで済ませますのでよろしくお願いします。

 

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服のお直しをやってる友人が、Tシャツのグレーというのは白い糸にポリエステルを混ぜてこの色を出してるんだと言っていまして、今タグを見てみたら他のTシャツは綿100%だったんですけど、これだけ綿90ポリエステル10でした。

 

 

そのポリエステルの混ざり具合が、ミックスグレーだとちょっとまばらで、色の揺らぎがあることで 素材感が出てて、私はいい感じだと思います。白のロゴも邪魔しないけどしっかり見えるいい感じの存在感ですね。

 

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こちらは新色の、ネイビーのロングTシャツなんですけど、インディゴより色が濃くていい感じですよね。ぱっと見 黒に見えるんですけど、実際の黒と比較してみるとちゃんと藍色で、真っ黒というのは けっこう強い色ですから、黒のつもりでこの藍色を着たら、日本人の肌色的にもちょうどいいんじゃないでしょうか。ネイビーいい色ですね。あ、いい感じの色ですね。

 

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こちらも新色のチャコールですね。普通はチャコールグレーとか言ったりしますけど、ユナイテッドアスレのチャコールはちょっと茶色っぽいんですよね。この色も修正が大変でした。

 

ダークブラウンと比べるとだいぶ落ち着いた色で いい感じですね。秋っぽい。

 

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バニラホワイトのTシャツに青インクのワンポイント ロゴのやつです。このバニラホワイトも先ほどのネイビーと同じで、真っ白もかなり強い色なので、このバニラホワイトの 少し色味がついてるくらいのシャツを白として着てちょうどいいと思います。少し温かみのある白ですね。

 

 

やっぱり白のボディが一番インクのノリがいいので、この青インクの発色が全部の中で一番いい感じですね。二番目はミックスグレーに白ですね。私的に。でも白Tはそんなに人気はなくて、色の濃いものの方が着やすいみたいです。たしかに白は透けたりするしね。

 

 

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最後はこちらのマスクなんですけど、Tシャツと一緒に1個だけ入っていまして、オマケで入れてくれたらしいです↓

 

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でもオマケだったら、今回シルクスクリーンの版が3種類になったから、全部まとめてだと安くなったのに、3回に分けて3個口で発注して割高になったんだから このマスクも3個くれてもいいのに、と さもしい考えが頭をよぎりましたが、

 

こうやってダーターで貰えるのは嬉しいもんで、オマケはどんどんつけてくれたらいいなあと思いまして、てことは くろつる屋でたくさん購入していただいた方に オマケでエコバッグとかつけさせていただいてるんですけど、一度送った人にまた同じものを送るのは厚かましいよね〜と思って一度だけしか送らないのですが、

 

もし何個でも欲しいという方がおりましたら、備考欄のところにでも「エコバッグ希望」などと書いていただければ今後は同梱して送らせていただきます。レジ袋が有料になったらしいですから 庚申窯のエコバッグも実用性あるんじゃないでしょうか。

 

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しかしこのマスク、ロゴがけっこうデカくプリントされてて なかなかイカついですな。マスクもこんだけ毎日するならフェイスタトゥーみたいなノリで面白いマスクをみんな着けてたら見た目に楽しいですね。そうなったらこういう「オリジナルマスクをつくれる」という商品もきっと需要があるんじゃないかしら。さっきの紙には好評だったら秋に商品化を検討すると書いていましたが、もったいぶらんと商品化すればいいのに。

 

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湿度とかすみの話

 

7月19日 晴れ

本日のBGM Grover Washington, Jr.

 

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今日はパンツの中にコーンスターチをぶち込みたいくらいの気温と湿度、いわゆる不快指数高めな日だったんですけど、上の↑写真がこんな風にかすんでいるのはその湿度のせい、ではなくてですね、

 

昨日パソコンで作業しながら窯を焚いてたんですけど、パソコンがある部屋から灯油窯があるところまでの数十メートルを定期的に行ったり来たりしてまして、

 

座りっぱなしというのは健康によくないそうですので、この行ったり来たりで日頃の運動不足を補うんやと 道中走ってまして、ついでに四十肩を防止するために腕をぐるぐる回しながら走っていたので 昨日の私は大変に愉快な人物であったわけなんですけど、

 

その際にアイフォーンを携行してまして、窯を焼いている時間確認用のためだけに持って行ってたんですが、その時の格好がTシャツに甚平の短パンでして、こいつが浅い後ろポケットしかないもんだから そこにアイフォーンを入れて、私は腕をぐるぐる回しながら走っていたら何度目かの帰り道で アイフォーンがポケットから羽ばたいてですね、その結果こうなったわけでして↓

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これはカメラ終わったか!と思ったらカメラのレンズは無事だったみたいで、たぶん外側の保護層が割れたんでしょうけど、こうなった私のアイフォーンは順光だと今まで通り取れるけど、逆光になると光が乱反射して、エフェクトなしでかすみたっぷりの写真が取れるようになりました。

 

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いや〜まいったまいった まいっちんぐマチコ先生、などと精神退行してまた腕をぐるぐる回してたんですけど、その時焼いた窯を今日出してみたら こちらもいささかやっちまっておりまして、鍋用として作っていた器たちが取手に引っ張られて楕円になっております。

 

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持って使う器だから、軽くするために薄作りにしたので歪みやすくなっていたんでしょうね。あと昨日の窯は還元焼成してたので、還元は歪みやすいですし、取手付きのやつも取手の重みに引っ張られて歪むし、この逆円錐形みたいな器の形は取手の重さに弱いからさらに歪みやすいし、 と 今考えたら歪ませ要素がたっぷりですな。

 

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でも歪んだ中で、釉薬が流れ着いてたりとか割れてたりとかはなくて、ただ歪んでるというだけで、こうなってくると好みの問題になってきますね。

 

私的には正円のものよりも歪んでいるものの方がテーブルに置いた際の占有面積を少なくできるし、これはこれでいいんじゃねーのと割と気に入ってます。重なりは歪んだことでむしろよくなってます↓すごいガチャガチャしてるけど。

 

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まあこれはこれとしてアリということで、まだ焼いてないものもあるので、次は歪まないための焼き方で行こうと思います!それについてはまた今度で。

 

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今回の焼き方は少し長めに焼いて、釉薬をよく溶かすような焼き方だったので、そういうのも歪みやすかった一因なんですけど、その他の器たちは割といい感じでした。焼き物に関してはウェルダンが好みです。

 

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なので鍋の器たちも、歪まずにできても焼けが甘かったりするなら、歪んでてもよく焼けてる方がいいですね。土と釉薬がどっちも溶けて混ざり合ってる状態になると、一つの物体として融合してるなーって感じがするので好きです。

 

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今回の釉薬に関しては、白いやつと赤いやつが主でして、白の方が融点が高いので、白の溶け具合は悪くはないけど もうちょっと温度上げてもよかったなーという感じで、でも赤の方はちょうどいいぐらいでした。これ以上あげると赤色がとんじゃうので二つを同時に焼くならこのくらいが上限かもですね。

 

 

そして写真もやはり影響出てます。ちょっとぼやっとしていますね。同じ場所で一昨日くらいに撮った写真がこんな感じです↓

 

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うーんこう見比べるとはっきり撮れた方がええのう。貫入まではっきり見えてますからな。まあでもこのアイフォーンのカメラは今オリジナルになったわけで、高画質を謳う時代に逆行していくのもまた趣があると思いますので、今後はぼやっとした写真になりますが よろしくお願いいたします。

 

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ダンボールハウスと産まれた猫の話

 

 

7月20日 晴れときどきくもり

本日のBGM Prince Nico Mbarga

 

今日も大変に暑くて いよいよ夏きたな!って感じの一日でしたが、昨日 庚申窯に住み着いてる野良猫の一匹が子猫を生みまして、白いの2匹と白黒1匹の計3匹です。生まれたてほやほやですね。

 

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一応動画も

 

子猫たちの親がこちらの猫↓でして、この猫はこのブログを始めた2日前くらいにきたやつだったんですけど、その時小さくてまだ子猫かと思ってたら今でも小さいままでして、どうやら もともと小さいタイプの猫だったみたいですね。

 

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最初の頃の写真↓

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今年の4月半ばごろですね。こう見るとだいぶ顔つきが変わりましたな。この頃ガリガリでしたし ハングリーさが面構えに出てますね。

 

今いる他の野良猫たちはすでに不妊手術されていた、耳がカットされてる野良猫たちだったので、そのまま居着いても問題なかったんですけど、こやつはまだ手術がされていないやつだったので、これは居着いては困る!餌をやらんように!猫だから自力で生きていける!

 

という方針が家族会議で出たものの、何年か前に迷い込んだ猫が、餌をやらなかったら そのまま他の場所に行くことも 餌を取ることもできずに死んでしまいまして、

 

この猫もやたらと人懐こいから多分もともと飼い猫で 同じようになるんじゃないか、ということで 結局みんなが こっそり餌をやって 居着いてしまったわけなんですけども、

 

もうそうなった時点で不妊手術をやっておけばよかったんですが、まだ大丈夫だろう お足もかかるし、やらなければならないこともたくさんあるし、と 手術を先延ばしにしていて、

 

ようやっと手術をしようという頃には すでにご懐妊しておりまして、それで今になって子猫まで面倒見れないから中絶手術などと言い出したので、それはちょっと違うんじゃあないかい と思い、とりあえず産んでもらって、後のことはまた後で考える!ということで昨日産まれた子猫たちでした。

 

 

ほんで生まれてみたら母猫小さいのに 子猫が結構でかいなと思いまして、そして色もまた、父猫もまたそこらの野良猫、目星のついてる犯人は濃いキジトラだったから、柄ものの猫が生まれると思ってたら白い猫が生まれて不思議ですね。隔世遺伝ってやつでしょうか。

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この2匹は見分けがつきませんな。まだ小さいからですかね。白黒の方↓は黒の部分にちょっと縞模様が出てて、キジトラの毛質が現れてるんでしょうか。

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ちなみに生まれた場所はこんな感じ↓のところでして、1週間くらい前から母猫が家の中や工房に入ってこようとしてたので、こいつは産み場所を探しておるなと思うも そこは室内には入れず、

 

「ここがお前と我々の最後の境界線だ、これについてお前は不服があるかもしれんが、境界線を明確に持つことで むしろ お前と我々は対等たりえるのだ、だから断じて家の中には上げん!工房にも!」

 

ってことで屋根のある外の物置みたいなところに 段ボールをいろいろ置いて、入り組んだような形にしてたら その中の一つを寝ぐらにしたようです。すぐ横の建物には大体人間がいるのでカラスとかも寄ってきにくいですし。

 

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産まれた子猫たちは飼い主募集中でして、今のところ2軒の方に検討していただいているのですが、もしお知り合いで、ちょうど白猫を飼いたかったんや!という人がいましたら、ご連絡いただけるとありがたいです。しばらくは母猫が育てた方がいいと思うので二ヶ月後くらいになると思いますが。

 

 

もし引き取られなくても、残った猫たちは庚申窯で不妊手術をして、あとは適当に住み着いてもらいますので、まあ心配はないと思います。

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浅瀬の水遊びと稚魚の話

 

 

7月21日 晴れときどき雨

本日のBGM The High Llamas

 

今日は晩ご飯に もらい物の うな重弁当を食べまして、同封されていたタレと山椒をかけて食べてたら いつの間にやら机が びたびたになり、どうなっとるんだこれは!と思って弁当の裏側を見たら、情緒不安定な少年がやるかたない憤懣の捌け口に箸でぶっ刺したような穴が規則正しく16個くらい開いていまして、その穴から先ほどのタレが下に漏れ出ていたようで、

 

この穴たちはおそらく弁当を蒸し焼きにするために必要な機構だと思うんですけど、となると弁当というよりも これはあくまでも持ち運びのための容器であって、家に帰ったら食器に移して温め直して しかるべきのちタレをかけるというものなのであって、そのままタレをかけるもんじゃねえぞ このすっとこどっこい と鰻屋の大将が愚民を嘲笑う顔が目に浮かぶようでしたが、

 

まあでも余計なタレが流れ出たおかげなのか普通に美味しかったわけで、目に浮かんだ鰻屋の大将の、職人気質と閉鎖的な交流態度との関連について考えながらいただきました。

 

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今日は友人というか幼なじみというか半分親戚みたいな知り合いが来てくれまして、1歳と少しの子供と一緒に庚申窯のすぐ前の川で水遊びをしていたんですけど水が心地よい季節になりましたね。

 

 

連日の雨の影響でいつもより水流が強くて、上↑の写真の浅さでも たまに足を持っていかれそうなくらいでした。この子供は女の子だったんですけど、好奇心と危険への警戒心が大変バランス良くて、手が かからなくていいわねと思いました。

 

 

彼女は流れの緩やかなところでコンクリートの川底に転がっている石をバケツに積んで、ある程度たまったら取り出して また川底に積んで、という反復作業をしていまして、

 

まるで賽の河原で父母供養のために石塔を作ろうとするも、完成しそうになったら鬼がやってきて積み上げた石を壊すので、子供は永遠に石を積み続ける という一連のくだりを1人でやっているようで大変に微笑ましい光景でした。

 

 

一方でファーザーの方はもともと野生児みたいな人で、最近も素潜りで石鯛を捕まえたと言っていましたので、子供に注意を払いつつ私も一緒に魚を捕まえたりしてました。

 

 

魚を捕まえるとかそういう狩猟の類は 人類がずっと昔からやってきたことなので、本能レベルの快感だからとても面白いんだと思います。なので結果的に逃すとしても、何かを捕まえるのはゲームとして成り立ちまして、

 

もし狩猟をずっと昔から男女で役割分担してきたとしたら、その楽しさの本当のところは女性にはわかりづらいのかもしれません。

 

 

「結局逃すのになんでそんな夢中になってんの?」という女性の疑問への答えとしては、「目的のない会話をどうしてそんなに続けられるの?」という男性の疑問がちょうど対になっているかもしれないですね。

 

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この写真くらいの浅いところにも魚はいるもんで、写真は撮りませんでしたが 多分ドンコの稚魚かなんかだと思います。稚魚なので生存戦略としてこの浅瀬に住み着いているわけですね。大きい魚から逃れるために。

 

 

魚にとって陸地というのは水のない死の世界ですから、岸辺というのは境目にあたるんですけど、多くの水棲生物の幼生が 岸辺や浅瀬に住み着いているというのはとても面白いですね。

 

 

死ぬギリギリのところにいるからこそ捕食者からの脅威を避けられるわけで、でも浅瀬にいるから ひょんなことで水に戻れなくなったり、我々のような陸棲生物たちに捕まえられてしまうという、どちら側にも危険があるわけで、

 

その波打ち際に いいバランスで居続けた子供たちだけが やがて大きくなって今度は捕食者になるわけですけど、その意味で言えば彼女は自然的にいいバランス感覚を持っているなあと思いました。

 

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水没気分と一昨日の話

 

7月22日 晴れのち雨

本日のBGM Unknown Mortal Orchestra

 

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素焼きの器に釉薬をかける前に、コンプレッサーで風を当てて 削りカスを飛ばす、という作業を毎度やっているのですが、この丼たちは荒土で、荒土というのは粘土を作る際の不純物を濾す網の目が通常よりも粗い、つまり不純物多めな土なんですけど、

 

何が不純物でいバカヤロー、不純物と思って除外したものたちが 実は全体の系の中で重要な役割を担っていて、除外したことでもっと深刻な問題が起こったなんてことは今までの歴史の中で何度もあったじゃねえか、という自然原理主義者とは一緒にしてほしくないのですが、まあそれに近いことは粘土にもありまして、

 

粘土というのは2マイクロメートル以下の鉱物のことで、それ以上の大きさになると砂とか石とかシルトとかいう呼称に変わるのですが、

 

粘土で形を作って それを焼いて 陶器にした場合、粘土を構成する粒子が全て同じ大きさの 細かい粒子だけの粘土で作った器よりも、細かい粒子と粗い粒子とが どちらも程よく含まれた粘土で作った器の方が強度があるそうで、器の強さは粒度分布のバランスによって大きく違うということを他の陶芸家の人から聞いたことがあります。

 

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だから荒土がいい、というのは粘土原理主義者の理由付けの一つですが、私は荒土で作った焼き物の方が ザ☆焼き物 って感じがして好きでして、そんなわけでこの丼も荒土で作ったんですけど、荒土だから削りカスもまた大粒でして、

 

その削りカスをコンプレッサーの風で吹き飛ばしていたら、わりと大きめな砂粒が私の目に飛び込んできて、こいつは指で擦ったりすると大変にやばそうな雰囲気を眼球の中で醸していましたので、涙で押し流そうと思いまして、

 

下を向いて瞬きをせずに目を見開いていたらやがて涙が溜まって、粒が大きい分 重力に引っ張られて出ていくかなと期待して、涙を溜めてしばらく下を向いていたのですが、下を向いているから 涙が表面張力でずっと目に溜まっていて、その時の視界がまるで水中にいるかのような見え方でして、大変に新鮮な感覚、

 


例えるなら透明度の高い水の中に沈んだ廃屋の中にいる感じで、ちょうど置いてるものも古びてるし、庚申窯がダムの底に沈んだような気分を味わえました。

 

 

しばらくダムの底状態を楽しんで、砂粒が出て行ったかどうか微妙だったので鏡で眼球をチェックして、自分の目をまじまじと見てみると 瞳の輪郭って思ったよりぼやっとしてて、だから昔カラコンをつけてた女たちってのはあんなに違和感があったのか!と今更納得しまして、

 

削りカスを吹き飛ばす作業がまだ残ってたので、林業の職人さんがチェーンソーで木を切る際に明後日の方向を向いて刃を当てる、というやり方を見習って、明後日の方向を見ながら削りカスを飛ばしました。

 

 

しかしこの明後日の方向ってどうなんだと思いまして、なぜに明後日?明後日というのは現在とは全く別の世界だということでしょうか。

 

 

明後日というと 一昨日きやがれ という慣用句もありますが、これも 最近日本に来た外国人留学生に理由を聞かれたらうまく答えられませんぜ。一昨日に来ることはできないから もう来るんじゃねーぞ ってことでしょうかね。明後日の方向に比べたら こちらのフレーズを日常で聴くことはすごく稀な気がします。

 

 


どちらの言葉も意味を考えようとしたらヘンテコですけど、どちらもフレーズとしていい感じで、細かい意味とかよりもリズムとかメロディとかで このフレーズたちは定着したんじゃないかしら。

なんやわからんけどなんかわかる的な納得感ですよね 一昨日きやがれ。私もいつか言いたいんですよ一昨日きやがれ。なんか頑固者の親父感あるじゃあないですか。2度と来るな!とかだったら言われたことはあるんですけど。

おれ

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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