あがの焼窯元 庚申窯(こうしんがま)

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鉄赤サンプルと鉄の話

2021.03.03

本日のBGM NENA - 99 Luftballons

 

前回の続きで前に作った鉄赤の釉薬について。

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これもなかなか良いと思ってるやつなんですけど、この調合のやつは融点が高くてですね、普通の陶器を焼く温度で焼いても 黒いカサブタみたいな感じにしかならないのですが、

 

温度を上げて焼くとこのように黒も雰囲気が出て、隙間から赤色が覗くという ちょっとマグマっぽい感じが好みで、それで作ったお皿がこれ↓なんですけど、

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温度が高いから器も焼き割れて、でもその焼き割れの感じもマグマ感あるので結構気に入っているお皿です。高さがある分あまり大きくないんですけど、もっと形を崩してもいいのかもしれないですね。

 

こんな方向性じゃなく 普通の食器に使っても良くなりそうな感じがする釉薬ですので シリーズとして作りたいと思うんですけど、ただこの色を出すには窯にも相当の負担がかかるので、量産には向いてない釉薬でもありますね。

 

こっちの鉄赤釉も特殊でして、このテストサンプルはちょっと釉薬が薄いんですけど、厚がけして還元で焼くと結晶化してキラキラブラックになります。

 

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厚がけして焼くとこんな感じ↓  この感じもかなり使えそうですよね。このテストサンプル見るまで忘れてましたけども、そのうちこの釉薬で何かかっこいいの作りたいですね。質感もサラサラしててクールです。

 

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↑上のキラキラは窯の温度をゆっくり冷やすと出やすいんですけど、鉄赤釉を冷ます時に還元を強くかけると こんな↓渋い感じの紫色になります。これをもっと激しくやってるのが城島瓦の強還元焼成になるわけですね。

 

あっちは窯が最高温度に達したら 空気穴を塞いで 生ガスを入れて還元状態を作るらしいですが、専用窯でないと とてもできないやり方で、もしその時 酸素が流入しちゃうと爆発するんだそうです。

 

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強めな色なので食器向きではありませんが、造形物には合うんじゃないかしら。こうやって還元したやつをもう一度焼くと銀化したりして、それはかっこいい感じになるんですけど、一口に鉄赤と言ってもいろんなパターンがありまして、鉄ってのはいろんな色になるってことですな。

 

焼き物博士が言っていた オレンジを作る時に有効な ヒ素やセレンなんかも、ヒ素やセレンが色を出すんではなくて、それらが鉄の還元状態を変化させることで 鉄の出す色を変える、的なことを言っていたと思います。それでいい感じのオレンジ色に焼ける土なんかがあるのね。あれは土の中の鉄分の色なのね。

 

地球の3分の1は鉄でございますし、宇宙に存在する金属の中でも鉄が一番多くて、それは恒星の核融合で生まれる元素の最終段階が鉄であり、鉄こそが究極であり人類も鉄を崇め、鉄と融合し、鉄に身を委ねるべきなのです。

 

という気分にさせてくれる映画「鉄男」がYouTubeで見れるのでみんな見たらいいと思う。鉄男好きなので。

 

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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目

 

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