あがの焼窯元 庚申窯(こうしんがま)

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城島瓦と燻加工の話

2021.02.15

本日のBGM Vanessa Da Mata - Nao me deixe só

 

今日は福岡県工業技術センター化学繊維研究所、古い言い方だと窯業試験場になるんでしょうか、そこのセラミック研究チームのSさんが見えられまして、

 

Sさんとは数年前から福岡県久留米市にある城島瓦という瓦屋さんの燻焼成(いぶししょうせい)を使って何か新しいものができないか ということを持ちかけていただいて、それ以来 私も協力させていただいておりまして、城島瓦とはなんぞ ってことについてはこちらをご覧ください↓

 

ポップ城島瓦のポップ 完成版

 

そのいぶし加工した割山椒ってのがこちらでして↓

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この器↑は もともと緑青の割山椒だったのですが、いぶし加工することで緑青 に含まれる銅分が還元されて赤く変化したものです。うまく変化してると銅板っぽいメタリックな質感になってくれますね。これがもとの緑青の割山椒↓

 

画像3

 

同じ釉薬だけど焼き方で全然違うものに〜 ってやつではなくて、一回この↑緑に焼き上げてから、そいつをもう一度いぶしの窯で焼くと 上の赤い色に変化するのです。大変面白い技法ですよね。普通の還元焼成で焼き直しても色が中途半端になるだけですから、瓦屋さんの還元はめちゃくちゃ強いってことですな。

 

ちなみにいぶし銀で焼いたものもよくて、こんな感じの↓メタリックシルバーな質感で焼き上がります。城島瓦のいぶし銀はこんな感じの色ですね。

 

画像4

 

いぶし加工ができる窯っていうのはそれ用に作られている特殊なやつらしくて、ということは ここの窯でしか出せない色があるということですから いろいろ試して いい組み合わせを発見したいのです。

 

とりあえずの目標は いぶし加工による新しい色の発見で、既にいぶし加工でしか出せない色を指定されてオーダーで作ってるものもあるのですが、

 

ゆくゆくは瓦工場のオリジナルの製品として売れるものができたらいいなあと思うんですよね。いぶし加工は雨風に強いわけですから、屋外用のインテリアとかそういうのにも応用できると思うんですよね。窯もめちゃくちゃでかいから大きいものも作れますし。鬼瓦とか海外の需要あるんじゃないのかしら。

 

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目

 

その他の日記はこちらにあります↓

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